転職の企業研究で必ずチェックすべき5項目を徹底解説
転職活動を開始すると必ずチェックすることになる採用企業の情報ですが、情報ソース次第では実態とはまるで異なっていることもあります。
入社してから聞いていた話と実態がかけ離れていることに気づくのでは候補者側のダメージは大きすぎます。
そうならないために、複数の情報ソースから社内の状況を類推できる情報を集めておくことが非常に重要になります。
特に、口コミ情報や業界の評判を得るときには意識的にネガティブな情報も含めて調べることが重要です。
というのも、採用担当者は募集ポジションのことを候補者に魅力的に伝える役割なので、ネガティブな情報は自分で探さなければ耳に入らないからです。
そこで、今回は入社してから「こんなはずではなかった」とならないために口コミ情報の入手方法と最終面接までに確認すべき3つのポイントをご紹介していきます。
今回のトピック一覧
1.口コミ情報を入手するにはどうすればよいか?
(1)応募先企業に知り合いがいない場合
特に、口コミ情報は知り合いが応募先企業にいない、噂も聞いたことが無い場合は参考になります。
「転職 口コミ情報」で検索すると口コミサイトがいくつか表示されますので、2次面接までには1度はチェックしておきましょう。
New beginnings編集部の転職経験者は以下の3つのサイトに登録して、過去の在籍者の評判を中心に補足情報を得ていました。
外資系企業に応募し、本社の評価を知りたいという場合はGlassdoorのスコアをチェックすると日本法人からは見えない本社の評価が書かれいて参考になります。
(2)応募先企業に知り合いがいる場合
現在、勤務中の人からの情報はリアルタイム性と情報ソースが匿名でない安心感があるので是非活用したいところです。
この場合でも、大切なのは一情報ソースであって、安心だからといって全て情報を鵜呑みにしないことが大事です。
全ての情報にはバイアスがかかっているので、知人が以下の2点についてどのように感じているのかを踏まえたうえで、聞いた情報を自分なりに整理し直すことをオススメします。
- 社内での役割(所属部署・役職等)
- 仕事で大切にしていること(やりがい・収入・役職・人間関係等)
他にも、応募企業の競合他社に勤務している友人がいる場合は直接聞いてみましょう。
業界情報や第三者的に応募企業の強み弱みを知っているため、転職エージェント経由や口コミサイトからは得られない内情を聞ける可能性があります。
2.上場企業の場合(決算開示情報をフル活用する)
特に売上規模、利益率はマーケットシェアやビジネスモデルを理解するうえで必須の指標なので必ずチェックしましょう。
情報ソースとしては大きく以下の3つがあるので参照したい項目や目的にあわせて使い分けてださい。
(1)サクッと確認するなら各社のIRページの業績ハイライトへ
まずは、「社名 業績ハイライト」で検索してみましょう。
個人投資家を意識して作成されているページは業績推移や売上構成等がグラフで表示されており、細かい数字を整理する手間なく、業績推移を知ることができます。
(2)マーケットの評価も確認しておきたい場合は株価推移もチェック
業績だけではなく、金融市場での評価をチェックしておきたい方は四季報オンラインやYahooファイナンスで株価の推移をチェックしてみてください。
最重要ステークホルダーである株主の目線で業績情報をチェックしておけば、面接官が社長、役員クラスになった時に的を射た逆質問をしやすくなります。
(3)IRサイトが充実していない場合は有価証券報告書をまとめてチェック
コーポレートサイトにあまり投資をしていない会社は決算ページが見づらいことがあります。
その場合は、金融庁運営のEDINETを利用すれば開示資料をチェックできます。
3.非公開企業の場合(リリース情報をフル活用する)
決算書が開示されていないため、残念ながら細かい経営数値を知ることはできませんが、以下の3点をチェックすれば経営方針や成長見込みを類推できます。
(1)上場を目指しているかどうか?(キャリアパスに影響が大きいため)
株主にベンチャーキャピタル(VC)が入っていれば将来的に上場またはエグジットを目指していることがわかります。
「社名 資金調達」で検索すると資金調達の時期が記載されたリリースにヒットするので成長フェーズをイメージするのに役立つでしょう。
VCの機能や社名をチェックしたい場合は、少し古いですが、経営ハッカーの記事がわかりやすいのでご覧ください。
(2)業界内での知名度、シェアがどの程度あるか?(求められる役割に影響あり)
具体的なシェアを確認できるケースは限られますが、複数の情報源からデータをチェックすることで大まかなポジションをチェックできます。
以下の2つの方法で大まかにでも業界内でのポジショニングへの仮説を持っておきましょう。
① 業界地図をチェックする
IT業界の場合は、カオスマップを確認することで業界のプレイヤーと応募企業の所属カテゴリを確認できます。
以下はインターネット広告業界版です。
(出典:JP Chaosmap 2015-2016)
紙媒体の場合は、日経業界地図や会社四季報業界地図は毎年出版されているので、必要に応じて使い分けましょう。
② リリースや経営者のインタビュー記事から類推する
「経営者名(創業者名) 社名」で検索するとプレスリリースやインタビュー記事にヒットすることがあります。
そのなかで、具体的な数字は非公開でも「前年比120%の成長を目指す」「今期は30名の増員を見込んでいる」などのコメントが出ていることがあります。
こういった情報を活用することで「社員数は30−50名・経営者の出身企業・数年内に上場を目指している」といった会社像を描き出すことができます。
4.上場・非上場に関係なく組織構成は必ずチェックする
組織構成は選考スピードや入社後の仕事で求められるスピード感を知るために必ず押さえておきたい情報です。
具体的には「採用と担当業務の決裁権者が社長なのか、採用部門長なのか?」を面接でヒアリングことで対策を打てます。
(1)採用スピードを想定するため
グローバルで規模が大きい外資系企業や伝統的な日系企業の場合は選考スピードの長期化に注意が必要です。
ある外資系金融機関は、応募からオファーまで2ヶ月以上要したケースがありました。
長期化の最大の原因は、グローバルで20万人以上在籍しているうち、日本オフィスは50名程度であったため、優先度が低かったことにあります。
他にも、最終面接を社長が担当する場合は、最終面接までに2、3週間時間が空いてしまうこともあります。
(2)業務の責任範囲を正確に理解するため
職位やジョブタイトルは各社によって意味合いが大きく異なります。全社の意思決定を行なう本社と担当エリアでの最適化を進める現地法人における役割が違うので、仮に同じ役職名であっても期待される動きは全く違います。
日系企業の場合は社長へのレポートライン、外資系企業の場合は本社へのレポートラインは面接の段階で聞いておくことが重要です。
外資系企業の日本法人への権限委譲の度合いは会社によって大差があるので、「具体的にどこの国の誰が決裁権を持っているのか?」を聞いておくことをオススメします。
5.面接回数と質問内容で中途採用に対する力の入れ方をチェックする
これは会社の成長性や経営の安定性を知るうえで重要な指標になります。
採用のミスマッチは事業の成長にネガティブな影響を与えるので、エクセレントカンパニーは自社に適した人材発掘を常に最重要テーマとしています。
2015年に出版されて話題になった、Googleの人事の仕組みを細かに説明している「ワーク・ルールズ!」のなかで、ハイパフォーマーを採用するために、面接の回数、質問の構成、判断項目等の組み立てを絶え間なく研究していることが明かされています。
Googleほどのブランドと資金を持っている会社がまだまだ改善を目指していることからもわかるように、採用は日常業務の片手間で出来る業務ではないことは明らかです。
もし以下の条件に該当する場合は、人事制度や採用ポリシーが定まっていない可能性があるので注意しましょう。
(1)面接回数が極端に少ない
社員数が50人以上であるにも関わらず、面接回数が1、2回の場合は想定を超える欠員があり、採用を焦っている可能性があります。
社風への相性を徹底的に確かめようと考える会社はGoogleのケースにもあるように人事、直属の上司、部門責任者、関係部署の責任者など3回以上の面接を行なう可能性が高いことを考慮にいれてきましょう。
(2)面接時に募集ポジションの説明が極端に少ない
面接は候補者がチームメンバーと協調しながら、より高いパフォーマンスをあげられるかどうかを確認する機会です。
そのため、人・組織に力を入れている会社は、自社が求める人物像や募集ポジションへの期待値を明確に説明できます。
もし自社が求める人材像の説明が十分にないまま、候補者へ一方的に質問をしてくる会社は気をつけましょう。
まとめ
転職活動をしているときは、付き合い始めたカップルのように相手のことがとても魅力的に見えて、人生で最高の相手に見えてしまいがちです。
ミスマッチになれば会社は採用費の損失になり、あなたは短い社歴の経歴を職務経歴書に記載することになり、将来的なキャリアにネガティブに働くことになってしまいます。
目先の内定にこだわり過ぎて、肝心な中長期的なキャリアを犠牲にしてしまっては元も子もありません。
企業研究の結果、自分自身に合っていると思う時は積極的に売り込み、もし会社に対して不安がある時はしっかりと質問をして不安を解消してください。
企業研究に万全を期したい方は以下の2つの記事も読んでおくことをオススメします。
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