転職の面接で「質問はありますか?」への対応で差をつける3つの秘訣
面接の終盤で「何か質問はありますか?」と聞かれたときの対応は選考結果に影響します。
というのも、このタイミングでの質問の数と質は「あなたが真剣に応募先に入社したいと考えているか?」を推し量る指標になるからです。
もし真剣に入社を考えていれば、入社後の仕事内容や職場環境を想定した逆質問をしたくなるのが自然だからです。
ここで失敗しがちなのが、志望度が高いにも関わらず空回りして、質問内容がわかりづらく面接官にマイナス印象を与えてしまうことです。
そこで、そのような失敗をせずに、他の候補者を一歩リードするための逆質問の整理法をご紹介していきます。
なお、基本的なポイントは「転職成功の秘訣は面接での逆質問。外せないポイント3つと30の質問例」をご確認ください。
今回のトピック一覧
1.即戦力性が伝わる逆質問で差をつける
「あなたに入社してもらえたら、すぐにいくつかの課題は解消しそうだ」と面接官に感じてもらえれば、他の候補者と差をつけられます。
その期待に応えるためには、任されたテーマを遂行するためのリソース(協力者、社内システム、予算等)を押さえておく必要があります。
そこで、大切になるのが、逆質問で組織構成とワークフローをクリアにしておくことです。
(1)組織構成を質問する
具体的には下記3点を質問できると採用部門の状況をイメージしやすくなります。
具体的には、事前の企業研究と逆質問を通じて、下記3点をクリアにしておきましょう。
組織構成を確認する3つのポイント
- 採用ポジションのレポートライン
- 部門(長)のレポートライン
- 会社全体の組織構成
(2)ワークフローを理解する
ワークフローを理解するには(1)で確認した各部門やチームの役割分担を把握する必要があります。
具体的には、全社の部門を以下のカテゴリ分けしたうえで、逆質問を組み立てましょう。
部門カテゴリ分け例
- 営業(セールスエンジニア含む)
- マーケティング(リードジェネレーション担当部門全般)
- エンジニア(開発・テクニカルサポート等)
- バックオフィス(人事・総務・経理等)
各部門の役割分担をイメージできれば、募集ポジションのワークフローをイメージしやすくなります。
想定されるワークフロー例
企業規模や上場、非上場によって変わってきますが、以下のようなイメージをたたき台にして、逆質問し、イメージを組み立てることをオススメします。
<大企業>
- 各部門は役割を超えた仕事をしない
- 一定額の予算があるため外注や増員のオプションがある
- 社内手続きが多く、現場の判断を実行するまでにタイムラグが生じる
- 庶務(掃除、来客対応、郵便物の発送など)は外注または事務スタッフが対応
<中小企業>
- 他部署の応援業務に駆り出されることがある
- 予算の制約が大きいため、コストがかからない業務改善が歓迎される
- 社長や役員からGOサインがでれば、面倒な手続きはない
- 庶務(掃除、来客対応、郵便物の発送など)は社員対応
<ベンチャー企業>
- 部門ありきではなく、結果ありきで行動することが求められる
- 社内手続きは未整備で、社長や部門長のGOサインをもらい物事を進める
- 入社年次に関係なく、重要な仕事が任される
- 中小企業と同様に庶務は社員対応
組織の構成が似ていても、企業規模次第で、社内のワークフローは大きく異なる点には注意が必要です。
これらの前提条件の違いを面接中の逆質問でくみ取って、的確に仕事内容を組み立てられれば、他の候補者を一歩リードできます。
2.チームワークをイメージして差をつける
最初のポイントは、あなた自身の実務経験とスキルの面で即戦力性をアピールする内容でしたが、2つ目はチームワークについてです。
組織構成とワークフローのイメージをつけた状態でチームワークを確認することが重要です。
具体的には以下の2つの角度から逆質問を組み立てましょう。
(1)採用部門内の役割分担を確認する
明確にしたワークフローを具体的にチーム内の誰(どの役割の人)が担当しているかをクリアにするのがポイントです。
ここで押さえておきたいのは以下の2点です。
- 所属部署(チーム)の人数
- 大まかな役割分担
少数精鋭の場合は、個々人の業務領域を厳密に区切るのが難しいため、担当分けが曖昧になる傾向があります。
(2)業務量の波を確認する
チームの人数まで確認し、大まかな業務量をイメージしたうえで、押さえておきたいのが繁忙期の業務量です。
繁忙期への対応はマネージャー次第で大きく異なるため、直接、確認しないと入社してから想定外の事態になる場合があります。
繁忙期への対応パターン例
各社ばらつきがありますが、ありがちなパターンとしてご紹介します。
<大企業>
派遣社員採用やアウトソーシングを進めて、通常業務に悪影響が出ないように対処する。
<中小企業>
社内で繁忙期用に応援人員を配置し、数ヵ月を乗り切る。
<ベンチャー企業>
他チームの応援で人手不足の時は深夜まで働く。
<外資系企業>
深夜残業が発生しないよう、業績にあわせて中途採用を進める。
日系企業よりも外資系企業のほうがワークライフバランスを重視する傾向が強いことも念のためにインプットしておきましょう。
会社のフェーズとあなたのライフステージの相性次第で、仕事観がマッチするかどうかは180度変わります。
チェックの視点は「ブラック企業に転職した時の対処方法」で確認しておきましょう。
3.マネージャーの期待をくみ取り差をつける
最後は、「あなたを採用することでマネージャーの負担が軽くなる」と感じてもらえるかがポイントになります。
面接での評価を得ようとすると自己PRに力が入りがちですが、それ以上に大切なのはマネージャーの問題意識を理解することです。
そのためには、以下の2テーマの逆質問が効果的です。
(1)戦力化するまでの期間・プロセスについて
戦力化するまでの期間・プロセスをを読み違えるとあなただけでなく、マネージャーにとってもマイナスになります。
そのような事態を避けるために、マネージャーが描いている戦力化プランをヒアリングし、あなたが最適な人かを客観的に検討することが大事です。
戦力化までの期間のミスマッチ例
以下のようにミスマッチがあれば、転職したメリットが得られないことがわかります。
<想定よりも短い場合>
- あなた(Lose):想像以上にプレッシャーが大きく、期待に応えられずに、燃え尽き症候群になる。
- 会社(Lose):面接時の印象とは異なる動きで、仕事の任せ方に苦慮する。
<想定よりも長い場合>
- あなた(Lose):簡単な仕事が多く、期待していたチャレンジができない(キャリアアップの望み薄と感じる)。
- 会社(Win):オーバースペックだったことに気づかず、うまくいっていると勘違いする。
(2)マネージャーの苦労をくみ取る
最後は、逆質問で確認した内容を踏まえて、採用ポジションに期待する動きを再確認できれば自己PRにもなります。
その際には、チーム作りや業績のプレッシャーをマネジメントしているマネージャーの気持ちにも配慮できれば理想的です。
会話のポイント
- 今の会社と比べて魅力的に見える点を伝える
- 難儀に見える課題への対応にプラスのコメントを添える
この対応は、面接官へのごますりにも見えますが、面接は商談なので面接官(=クライアント)の魅力を伝えるのは当然のことです。
まとめ
面接は経歴に対する質疑応答の場ではなく、お互いの魅力を引き出し、相性を探るための商談です。
この前提に立てば「何か質問はありますか?」と聞かれた時には、直接会った時にしか聞けないことを質問するのが重要なのは明らかです。
面接のステップ、面接官の社内での役割に応じて最適な質問ができるように準備して、面接に臨みましょう。
面接準備で差をつけるためには、以下の3つの記事もあわせてチェックしておくことをオススメします。