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転職・退職の時に知らないと損をする健康保険3つのポイント

 
転職の時に要注意の社会保険
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Shin@多国籍組織づくりサポート
企業人事として早10年、日系ベンチャーや外資系企業で人事系の業務改革や立ち上げに従事。模範的な会社員の働き方が体質に合わず、独立、Iターン転職@札幌、オール外国人の日本法人の立ち上げなど、一度きりの人生なので常に全力投球をモットーに活動中。
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在職中はあまり意識しない社会保険料や手続きですが、退職後は自分自身での対応が必要になります。

手続きの概要は退職手続きの際に人事から概要の説明を受けるケースが多いですが、対応が面倒でつい後手に回りがちです。

 

しかし、制度全体や書類の多さに圧倒されてで対応が遅れると、想定外の費用負担や便利な給付を受けられずに損することになります。

 

そこで、今回は社会保険のうち、まずは健康保険に絞って理解しておきたいポイントを大きく3つお伝えします。

 

年金の手続きは「転職・退職の時に必ず押さえておきたい3つの年金基礎知識」でご確認ください。



1.健康保険の基礎知識

社会保険は健康保険(40歳以上の場合は介護保険も加入)と厚生年金を総称した名称です。

 

全てのポイントを押さえられれば理想ですが、退職後に真っ先に対応が必要になるのは健康保険です。

 

そのため、まずは健康保険の重要なポイント2点をご紹介します。

 

(1)窓口負担は医療費の3割のみ

窓口で支払っているのは3割負担と言われる、一部負担金のみであり、本来の医療費の7割分が健保組合から支払われています。

 

保険証等を提示して保険医療機関で医療を受けたときや保険薬局で薬の調剤をしてもらったときは、保険医療機関等の窓口でかかった医療費の一部を支払います。これを一部負担金と言い、本人・家族、入院・外来にかかわらず、年齢等によってその負担割合が区分されています。

健康保険一部負担金
(出典「保険証を提示して治療を受けるとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会」より)

 

保険証がなければ窓口で全額負担になるため、特に以下の2点を押さえておきましょう。

 

ケース1:転職先が決まっている場合

入社時に必要書類を提示すれば会社側で加入手続きをしてくれますが保険料が届くまでには少なくとも1、2週間は要します。

 

もし転職直後の通院が必要になる場合は、保険証が代わりになる「健康保険被保険者資格証明書」の発行を転職先に依頼しましょう。

 

ケース2:転職先が決まっていない場合

転職が決まっていない場合は、健保組合への加入継続(任意継続)または、国民健康保険に加入のいずれかの対応が必要になります。

 

それぞれ、保険料の計算方法や給付の種類が異なるため、メリット・デメリットを比較のうえで加入先を決めましょう(詳細は後半で説明します)。

 

(2)高額の医療費もケアされる

万が一急な病気や怪我で高額な医療費が発生しても、一定額以上の費用負担が発生しない制度(高額療養費の払い戻し)があります。

 

この場合は、窓口での支払いは自己負担になりますが、後日健保組合に申請することで、差額分が返金される制度です。

 

高額療養費制度(協会けんぽ)
(出典:協会けんぽHP「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」より)

 

健保組合によって、本人負担額と手続きに要する期間が異なるため、万が一の事態になった場合は、健保組合の案内に合わせて手続きをしましょう。

 

2.会社員は健保組合に加入

健康保険の適用事業所(常時5名以上の従業員を雇用)の場合は、会社は健保組合の加入が義務付けられています。

 

そのため、適用事業所でフルタイムで勤務している場合は、会社が加入する健保組合の料率に基づき保険料が給与から天引きされています。

 

ここでは、健保組合によって、給付の種類・金額、福利厚生のサービスなどが異なることを具体的にご紹介していきます。

 

(1)健保組合によって異なる保険料率

一般的な中小企業、設立間もない会社は協会けんぽに加入していますが、会社の事業内容や人員構成次第では別の健保組合に加入することがあります。

 

その場合は、協会けんぽよりも給付が好条件であったり、独自の福利厚生サービスがあったりといったメリットがあります。

 

具体的に、いくつかの組合と比較しても、協会けんぽの料率は10%(本人負担:5.0%/事業主負担:5.0%)よりも低いことがわかります。

 

ケース1:業界別健保の場合

業界別健保は加入基準(企業規模、平均年齢、業績等)を満たした複数の企業で運営されます。なお、保険料負担割合は折半です。

 

<保険料率例(2017/3/19現在)>

 

ケース2:企業別健保の場合

企業別健保は従業員数が多く、1社(グループ企業)単独で健康保険を運営できる会社に限られた健保です。保険料負担割合は各組合により異なります。

 

なお、近年は社会保障費の増加に伴い、毎年保険料率が上昇する傾向が強いです。財政が良い健保組合でも、維持が限界という状況です。

 

そのため、以下は2017年3月19日時点の保険料を比較した参考データとしてご覧ください。

 

<保険料率例(2017/3/19現在)>

 

(2)給付や特典も異なる

保険料率が低いだけでなく、付加給付(健保組合が独自に医療費を追加補助)や施設の利用割引といったメリットがある点も見逃せないポイントです。

 

<付加給付例>

健保組合によって給付有無、金額や手続きが異なるため、詳しくは加入している健保にご確認ください。

  • 高額療養費への追加補助:一部負担還元金/家族療養費付加金
  • 出産時:出産育児付加金/家族出産育児付加金
  • 被扶養者が亡くなったとき:家族埋葬料付加金
<施設利用サービス例>

保養所の利用を支援している健保組合は多いですが、旅行会社やスポーツジム等の割引まで整っているところもあります。

  • (直営/契約)保養所利用
  • スポーツ施設(ジム、ゴルフ場等)の利用割引
  • 旅行代金の割引や加入者用レストランなど

保険料率と同様に財政が厳しい健保組合では、保険料率の上昇を抑えるために、施設利用特典等を縮小するところもあります。

 

少子高齢化が進むなかでこのトレンドは変わらないため、将来的にはこれらのサービスは受けられなくなる可能性があることも理解しておきましょう。




3.退職後の健康保険料には要注意

最後のポイントは転職先が決まる前に退職した場合の対応についてです。

 

ここでは、国民健康保険(以下、国保)に切り替え、または、健保組合で任意継続のいずれかを選択しなければなりません。

 

以下でそれぞれのメリット・デメリットを判断するためのポイントをご紹介するので判断にお役立てください。

 

(1)任意継続のポイント

任意継続の場合は退職日の翌日から20日以内に手続きが必要になります。また、延長期間は最大2年であることを押さえておきましょう。

 

そのうえで、以下のポイントを踏まえて、国保よりもメリットが大きいと判断した場合は健保組合に手続き方法を確認しましょう。

 

① 国保にはないメリット

  • (一部を除き)付加給付や保養所利用等の特典を維持できる
  • 扶養家族は保険料がかからずに加入を継続できる

付加給付や特典の対象になるかについては、事前に健保組合の給付課に確認することをオススメします。

 

② 個々人で判断が分かれる要素

  • 保険料が約2倍に増加(会社負担分がなくなり、全額自己負担になるため)
  • 保険料は退職時の標準報酬月額に基づいて決定し、2年間金額の変更なし

 

(2)国民健康保険(国保)のポイント

各自治体で運営されているため、健保組合のように、あなた自身で標準報酬月額をもとに保険料を確認できません。

 

そのため、以下のポイントを押さえたうえで、居住している市区町村の役所に保険料額の概算を確認しましょう。

 

① 任意継続にはないメリット

保険料の減免制度(解雇、倒産による離職の場合等)がある点が任意継続との最大の違いです。

 

倒産や解雇などにより自ら望まない形で失業された方(非自発的失業者)の国民健康保険料(税)について、概ね在職中の保険料の本人負担分の水準に維持されるよう、失業の翌年度末までの間、前年所得のうち給与所得を100分の30として軽減されます。

このため、非自発的失業者の方は任意継続の保険料よりも安くなるケースが想定されますので、国保料軽減制度の適用を受けられるかどうかを市役所等へご確認ください。

(出典:協会けんぽHP「退職後の健康保険制度ヘのご加入は、3つの選択肢があります。」より)

 

② 個々人で判断が分かれる要素

減免制度の該当有無や以下の要素が絡み合って保険料が決まるため、自治体に問い合わせたうえでメリット有無の判断をしましょう。

  • 前年の所得などに応じて決定
  • 扶養家族がいる場合は、1人分の保険料でカバーできない可能性が高い

 

<3のおさらい>

任意継続、国保加入のどちらにメリットを感じるかは「あなたの経済状況、家族構成、健康状態」次第で変わります。
例えば、被扶養者がいなく、医療機関にかかることが少ない人にとっては健保組合ならではのサービスをメリットとして感じづらいでしょう。

一方で、一定の預貯金があり、扶養家族が複数(配偶者や子ども等)いる場合は、保険料が倍でも任意継続にメリットを感じるでしょう。

このような生活スタイルや退職時の経済状況をあなた自身で把握して、慎重に選択することをオススメします。

 

まとめ

健康保険の制度は日頃の通院の場合は3割負担、医療費が高額になっても負担額は上限があるというポイントだけ押さえておきましょう。

 

そのうえで重要になるのが、転職先が決まる前に退職した場合の任意継続または国保加入の選択です。

 

毎月の支出が少なければ、仮に少々のブランクが空いても、転職活動に集中できますが、お金に不安があると焦りやすくなるためです。

 

少しでも支出を減らして、転職活動に集中できる環境を作るために、面倒に感じる手続きも退職後すぐに終えるようにしましょう。

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