経理の転職に簿記資格は有利になる?資格を活かすためのポイントとは?
これまでにご紹介してきた資格(行政書士・司法書士・宅建・FP等)と比較しても、認知度が抜群に高いのが日商簿記です。
将来的に会計系のキャリアを積みたいと考えるかたにとっては、実務に必要な最低限の知識をどの程度持ち合わせているかが試される基準になる資格です。
今回は簿記資格を取得することでいかにキャリアアップを実現出来るかを検討していきます。
今回のトピック一覧
簿記検定の試験内容は?
簿記検定は日本商工会議所が毎年2月、6月、11月に実施しており、年間の受験者数は55万人ほどいる非常にポピュラーな資格です。特に、経理としてキャリアを積みたい方にとっては避けては通れない資格です。
資格は1級から4級までありますが、イメージとしては経理を目指すのであれば2級(商業簿記・工業簿記)、一般的な会計知識を習得したい場合は3級(商業簿記のみ)の取得を目指しましょう。
(出典:商工会議所の検定試験ウェブサイト「各級のレベル」)
簿記の資格を持っていると転職に有利?
簿記の2級、3級を持っているからといって転職に有利になるかどうかはポジションと会社の規模によって異なってきます。
経理の仕事にプラスになるのは簿記2級から
1級から3級まであり、専門性を持って仕事をしたい人は最低でも2級の取得が求められるケースが多いです。
3級は会計を学習するための基礎的な知識が問われるだけなので、ビジネスパーソン全般にとって役立つ知識が試されます。そのため、職種を問わず簿記の取得を奨励する会社もあります。
会計士・税理士を目指すのであれば1級取得もひとつの選択肢に
1近年は士業の競争激化により、合格するまでに複数年かかることが一般的である会計士や税理士資格に合格しても就職がない場合があります。
資格浪人を複数年してしまえば、合格出来たとしても実務経験が短くなってしった分、就職・転職には不利になってしまうことがあります。
社会人で会計資格取得でキャリアアップにつなげたい場合は、まずは簿記1級を取得したうえで、それでも会計士や税理士資格が必要である場合に、チャレンジを継続するというほうが無難でしょう。
重視されるのは実務経験。資格はプラスαの要素。
もし【未経験可】という募集がある場合は、専門用語や会計理論の理解は大きな武器になります。こういったケースを除いては、最も重視されるのは資格ではなく実務経験です。
上場企業は決算開示スケジュールに追いかけられる
上場企業であれば決算の開示義務があるため、会計処理のプロセスは厳格に管理され、有価証券報告書や決算短信の作成を目指して、短期間で実務を遂行しなければなりません。もちろん、ミスは許されないので、正確かつスピーディーな業務遂行能力が要求されます。
大会社であれば高い専門性が求められやすい
企業規模が大きくなると、複数の事業を運営しており、少数のメンバーでは全社の経理処理が追いつかないため、分業が進むことになります。特に事業部別に経理担当が分かれるような場合は、全社的な会計管理よりもその事業部内におけるオペレーション、計上基準を押さえた実務能力が求められます。
中小企業は経理の専門性よりも、給与計算までできる万能さが重視される
特に社員数が30名前後の会社の場合は決算書の作成以上よりも仕訳や給与計算対応、税務対応など幅広く社内で発生するお金に関する業務を扱うことになります。
特に、ここ数年ではクラウドの会計サービスが複数リリースされているため、中小企業の経理担当者は計算の実務よりも、予算管理や購買プロセスの管理等を通じて社内の収支管理全般を遂行できる幅広い経験が歓迎される傾向が強くなっています。
このような環境であれば、経理の経験が2、3年程度に簿記2級という組み合わせで経理としてキャリアアップにつなげやすいです。
まとめ
簿記は他の資格と比べて実務に直結する資格であり、また、受験費用のお手頃感や実施頻度の多さを考えると特にバックオフィスとして働く人にとっては持っていて損はない資格です。
一方で、ポピュラーな資格であるがゆえに、資格を持っているだけでは不十分で、差別化を図るために給与計算経験、上場会社での経理経験、税務処理の経験等にプラスαするものとして活用することをオススメします。
Comment
[…] 転職に簿記資格を活かす方法の詳細は「経理の転職に簿記資格は有利になる?資格を活かすためのポイントとは?」でご確認ください。 […]
[…] <関連記事> ・ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を生かせる仕事や転職先は? ・経理の転職に簿記資格は有利になる?資格を活かすためのポイントとは? […]