転職活動をしていれば、誰もが内定をもらえると一安心するところです。ただ、ここで安心しきってはいけません。
オファーレター(労働条件通知書)に記載されている労働条件を十分にチェックせずにサインして後悔するケースが多々あるからです。
オファーレターに書いてあることは最低ラインの情報ですね。ワークライフバランスや評価制度まで人事に質問しておくのが無難ですね。
そうそう。年収アップとか希望の職種にキャリアチェンジする時は、採用企業の期待値を取り違えてしまいがちなのでさらに要注意だねー
このように、内定を受諾する際にはオファーレター以外の情報確認が欠かせません。内定後であっても遠慮なく確認しましょう。
入社後にミスマッチに気づくのはあなたにとっても、採用企業にとっても、最悪のシナリオです。
今回はそんな大失敗を避けるために、オファーレターへのサイン前にチェックすべき5つのポイントをまとめていきます。
転職理由の整理がついてない場合は、まずは「面接までに転職理由の優先順位を明確にする3ステップ」を確認のうえで頭を整理しましょう。
今回のトピック一覧
ポイント1:残業代を含めた想定年収は十分か?
仕事内容と給与への納得感は入社後のパフォーマンスに影響するのでオファーレターにサインする前に必ず確認しましょう。
内定受諾を迷う場合は、以下の2つのポイントを踏まえて「必ず交渉し、交渉結果に納得できるかどうか」を確かめましょう。
希望は伝えることに意義がある
具体的には最終面接後の条件面談時に、中途採用担当者または転職エージェントに希望年収を明確に伝えましょう。
年収は転職先の企業の給与レンジによって決まるため、前年収が高い人は高評価を得ていても、維持が限界の場合があります。
それでも、交渉が大切なのは、交渉プロセスで、以下の2点がわかるためです。
- 内定先の給与水準(体系)を大まかに把握できる
- 交渉に対応する姿勢であなたの採用への真剣度が見える
キャリアチェンジの場合は年収ダウンを覚悟する
過去の経験をそのまま活かせる会社に移る場合は、年収アップでの転職は十分に可能です。
ただ、以下の2つの場合は年収ダウンの可能性があることを理解しておきましょう。
- 企業規模が大きく変わる場合→大企業からベンチャー企業への転職
- 給与水準が高い業界を離れる場合→IT・製薬・金融系企業からメーカーへ転職
内定受諾時に覚悟していても、給与明細の総支給額が減っているのを見たときは、ショックを受けるものです。ただ、新たなチャレンジを優先して入社を決めた場合は、仕事のやりがいでカバーしていけます。
一度きりの人生です。生活苦になるほど、収入が下がるわけでない限りは思い切りチャレンジするのも悪くないです。
ポイント2:ワークライフバランスのイメージがわくか?
年収や仕事内容が魅力的であっても、想定外のかたちでプライベートを犠牲にすれば、転職を後悔することになりかねません。
特に、大企業過去の会社で手厚い福利厚生があった場合は、転職先では条件ダウンになる可能性があります。
入社後に初めて気づくという事態にならないよう以下の2つのポイントを押さえておきましょう。
まずはオファーレターを熟読すべし!
オファーレターで確認すべき項目はこちらです!
- 人事評価の時期と回数
- ボーナス支給、昇給時期
- みなし残業時間の有無
- 交通費の支給上限額
- 扶養手当、家族手当等の福利厚生
- 有給休暇、特別休暇の付与日数
もし記載がなければ、人事担当者や転職エージェントの担当者に質問しましょう。
福利厚生についての質問攻めは印象ダウンにつながりやすいので要注意です。生活プランに合わせた質問を心がけましょう!
ワークライフバランスも重要!制度の運用状況を必ず聞く
有給休暇や育児休暇等の制度は労基法で設置が義務化されていますが、活用のレベルに対する取り決めはありません。
そのため、各社で運用は大きく異なります。ミスマッチを防ぐには、以下のポイントの活用事例を確認しましょう。
- 月間の平均残業時間
- 繁忙期の残業時間
- 有給休暇取得の状況
- 産休、育休の取得事例
希望の優先順位を整理したい場合は、「転職でワークライフバランスを見直すための3つのポイント」をご覧ください。
ポイント3:社風(企業カルチャー)にマッチしているか?
「転職先がチームワークを重視しているかどうか?」が新たな環境で成果を出せるかどうかを大きく左右します。
以下の2つのコツを押さえて、入社後に想像以上に仕事がしづらい環境だった後悔が生じないようにしましょう。
チームワーク重視か個人主義かをチェックする
この項目は外資系に転職する場合は最重要項目です。
特に外資系セールスの場合は、インセンティブ(コミッション)の割合が年収の5割を超える場合は個人主義の社風になることを覚悟しましょう。
- チームで目標を共有しているか?
- 数字以外のパフォーマンスを評価する仕組みがあるか?
- 評価面談以外でもマネージャーと1:1ミーティングがあるか?
日系企業の場合は個人業績が報酬に連動しない企業がまだ多いです。ただ、急成長ベンチャーで一気に出世しているタイプのマネージャーは要注意です。
業務フロー、仕事のスピード感も重要!
企業カルチャーを正しく理解するには日々の仕事のスピード感を理解することが重要です。
特に、決裁プロセスはスピード感に大きな影響を与えるので必ずチェックしましょう。
- 業務の決裁権を誰が持っているか?
- 通常、決裁までのどの程度の時間を要するか?
より細かいチェック項目は「転職で内定をもらった後に必須の3つの行動とチェック項目10選」でご確認ください。
ポイント4:内定先ならではの魅力を感じているか?
どれだけ給料が高くても、会社の戦略や業務プロセスに自信を持てなければ、仕事への満足度は下がります。
管理系以外の職種の場合は、自社サービス・プロダクトに誇りを持てないとモチベーションダウンは避けられません。
入社してから「転職しなきゃよかった!」とならないよう以下の3点は最低限チェックしましょう。
- 競合他社と比べてプロダクトやサービスの独自性があるか?
- 市場規模やマーケットシェアはどの程度あるのか?
- 今後の事業戦略は現実的か(夢物語になっていないか)?
特に事業部長クラスの人が事業計画と事業戦略がクリアに話せるかどうかをチェックしましょう。
もし他社をけなす、数字をはぐらかすという対応である場合は、内定辞退を考えたほうがいいかもしれません。
ポイント5:内定先でしかできない経験はあるか?
経験・スキルの希少価値が高さはあなたの市場価値を高めるうえで必須の要件です。
転職を通じて、市場価値を高めるためには、「転職先で積みたい経験ができるか」をしっかりと検討しましょう。
- 経験の幅をスピーディーに広げたい場合:急成長ベンチャー
- 経営者と近い距離で働きたい:社員数30名以下のスタートアップ
- ひとつの会社で複数の職種を経験したい:日系大企業、急成長ベンチャー
- 海外チームとガッツリ働きたい:社員数50人以下の外資系日本法人
- ひとつの職種を極めたい:外資系企業の日本法人
事業の成長が早く採用が追いついていない会社は、手を上げればなんでも任せてもらいやすいですね。過去の経験にとらわれずに、幅広い実務経験を積みやすいのでキャリアチェンジしたい人にはチャンスですね。
そうだねーただ、マーケティング、人事、経理、法務などの専門職でキャリアアップするために必要な専門性が高られないリスクがあるので注意が必要だよねー
これらのメリット・デメリットを考慮して、仕事の幅を広げられる可能性がある転職先を選ぶことをオススメします。
まとめ
転職を後悔しないためには仕事を辞めたいと思った理由を解消できるかが何より重要です。
もし年収アップで転職できたとしても、つまらない仕事であればすぐにモチベーションがダウンしてしまいます。
そんな転職の後悔を避けるためにも、オファーレターにサインする前に以下の2つの問いを自分に投げかけてみましょう。
- 内定先は次の転職で実現したいと思っていたことにチャレンジできるか?
- 今回の転職活動で気になっていた会社にチャレンジし尽くしたか>
入社直後の退職はあなた自身そして転職先にも大きなダメージになります。
そうならないためにも、この2つは押さえておきましょう!
- 検討期間を必ずもらい懸念や不明点をクリアにする
- 疑問がクリアにならない場合は辞退して、転職活動の仕切り直しもOK