優秀な人材を確保し、定着してもらう環境をつくるのは経営者の最重要テーマです。
特に中小企業やベンチャー企業では新入社員1人が組織に与える影響が大きいので慎重な対応が必要になります。
そのため、多くの経営者が中途採用プロセスの最後に社長面接を設けて、会社の方向性や社風にマッチしない人を採用しないようにしています。
それでも、数回の面接の結果採用を決めたはずなのに入社後に期待していたパフォーマンスがあがらず頭を抱えてしまうことがあります。
そこで、今回はベンチャー企業・中小企業の経営者が採用を後悔した社員の3つの特徴をまとめています。
これから転職を考える方は採用を後悔される人にならないように「面接までに転職理由の優先順位を明確にする3ステップ」もあわせてチェックしておきましょう。
今回のトピック一覧
1.すぐに言い訳をする社員
仕事を任せた以上はやりきってもらうことを期待しています。
ところが、苦手なテーマを任されるとインターネット上で情報収集をしたり、社内でスキルがある人に十分な相談をすることなく、「出来ません」「わかりません」とだけ報告しに来る人がいます。
経営者の期待は大きくなりがちなので、場合によっては本当に達成するイメージがわかない目標を与えられることもあります。
ただ、そのような場合は、出来ない理由ではなく「どうしたら出来るのか?」を考えたうえで報告に来てもらいたい思うのが上司の心理です。
このようなネガティブシンキングな人は仕事を任せづらいだけではなく、同僚に対しても「どうせできないよ・・」と言ってしまう傾向があります。
もし出来ない理由を考える人が増えてしまい、社風にまで悪影響がでると事業の成長が停滞するため、クビにしてしまいたいとも思います。
それでも、あまりに大胆な対応をしてしまえば、他の社員が不安になってしまうので、いつも対応に苦慮しています。
2.新しい環境に柔軟に対応できない社員
過去の経験にとわわれてしまい、未経験のテーマに柔軟に対応ができない人は日ごろの会話では問題ないケースが多いです。
そのため、実際に仕事を任せきってみないとわからないこともあり、何度か手痛い失敗をしました。
ケース1:高学歴に期待しすぎて失敗
未経験の仕事や他部署を巻き込むタイプの仕事のときに調整や確認が不十分でプロジェクトを頓挫させてしまうというのが大体のパターンです。
高学歴で有名大学を卒業し、ペーパーテストのように決まった答えがあることに慣れすぎてしまったからなのかもしれません。
走りながら考えることができないと転職しても新しい環境で結果を出すことはできないでしょう。
ケース2:過去の実績を高く評価しすぎて失敗
中途採用をした場合でも、前職時代の考え方をそのまま新しい会社に持ち込んできてしまうケースは経営者の悩みの種でもあります。
特に、大企業出身の人が中小企業やベンチャー企業に入社するとコスト管理の厳しさや社内のオペレーションがカオス状態であることにカルチャーショックを受けることが多いのが実情です。
スキルや経験があればどの会社にいっても、仕事を完遂できると考えてしまいがちですが、組織である以上、独りよがりでは何も物事は進めらないです。
大切なのは新しい環境で求められることを正確に理解したうえで、過去の経験を活かすことです。
3.幹部候補の意識が低い管理職
中小企業やベンチャー企業では、中間管理職は経営者と一体になって活動することが期待されています。
そのため、自己管理は出来て当然で、メンバーの成長支援や会社全体を見渡して成果を上げてもらいたいと期待している経営者が多いです。
ところが、育児や夫婦関係の軋轢などのストレスを職場で発散してしまい、セクハラやパワハラで問題社員になってしまうことがあります。
もしハラスメントを受けた部下が精神的ダメージが蓄積し、うつになってしまえば、部下は公私ともに不安定な状態になり、パフォーマンスの低下や最悪の場合は退職につながります。
人材の採用が難しい中小企業においては、社員の早期離職は事業計画を揺るがす深刻なダメージになるので経営幹部の採用は慎重に進める必要があります。
管理職を採用する場合は面接時の印象や仕事の実績のみではなく、趣味や休日の過ごし方などを聞いて、プライベートの充実度も確認しておいたほうがいいと後になって学びとなっています。
最後に:中途採用のミスマッチの原因は第一印象で判断すること
人当たりがよく、場を盛り上げるのが上手な人ほど仕事に前向きに取り組むイメージを描きやすいですが、これは要注意です。
エンジニアや経理などの緻密さと正確性が求められる職種においては、口下手でも仕事に高いプロ意識を持って、結果を残している人を何人も見ています。
大切なのはその人の仕事に対する取り組み方であって、人あたりのよさではありません。
任された仕事を工夫しながらやりきろうとするタイプがどうかを面接の際にケーススタディなどを通じてチェックすることが大切です。
過去の実績は自社での活躍を類推する参考材料にはなりますが、本当に貢献してくれるかどうかは、新しい環境を否定する前に改善をしたいと思えるかどうかにかかっています。