複数の書類選考が通過し始めると、面接対策の時間が限られてきます。だからといって、準備なしで面接に臨めば面接官と話が噛み合わず不採用の確率が高くなります。
中途採用面接に事前準備ゼロで来る人は職種を問わずNGです。企業情報を知らない人は自己PRが的外れなので面接官はすぐに気づきます。
面接対策はポイントさえ押さえれば、30分程度でなんとかなります。そこで、企業研究から自己PRまでを仕上げるための5つのステップを紹介していきます。
今回のトピック一覧
STEP1:企業研究をダッシュで済ませる(15分)
まず最初に取り組むのは企業研究です。
中途採用は「スキルや経験での勝負。だから、企業研究は不要!」なんて考えるのは大間違いですね。
そうそう、やっぱり面接官は「なぜうちに応募したの?」「本当に入りたいと思っている?」という点が真っ先に気になるからね。
本当にそうですよね。せっかくスキルや経験がフィットしていても、準備不足で不採用になってしまうと中途採用担当者もがっかりしちゃいますね。
こんな残念なケースにならないように15分のネットリサーチで最低限の企業研究を完了する3つのポイントをお伝えします。
① まずはコーポレートサイトをチェック
コーポレートサイトをチェックするのは最低限のマナーです。たとえ、立派なHPがない会社であっても、社長メッセージ、沿革、事業内容程度の情報は掲載されています。
これらの情報から下記3点はざっくりでも押さえておきましょう。
- 創業からの年数
- 社長メッセージの雰囲気
- 事業部の構成
② 求人票もMUST(転職サイト or 転職エージェント発行のもの)
応募経路が直接応募、エージェント経由のいずれの場合でも何らかの求人票が作成されています。
応募時点でちらっとは目を通したと思いますが、HPに掲載されていない情報がないかチェックしましょう。ここで募集ポジションの理想の人物像のイメージをつかむことが重要です。
もしエージェント経由であっても、社名で検索して求人がヒットすれば一通り目を通しておきましょう。
情報源になる転職サイト例
- 募集枠が多い場合は、リクナビNEXTやマイナビ転職
- ITベンチャーは、Green
- 外資系は、Daijob.comやキャリアクロス
③ 中途採用SNSや新卒採用ナビがあればベスト
最近は外資系だけではなく、日系企業もダイレクトリクルーティングに力を入れ始めています。
転職サイトの活用もダイレクトリクルーティングに必須のツールですが、ベンチャー企業や外資系企業はSNSの活用が盛んです。
要チェックのSNS
- ベンチャー企業の場合:Wantedly(写真の情報が豊富なので社風をイメージしやすい)
- 外資系企業の場合:LinkedIn(Job descriptionの補足情報、他の募集情報の確認に便利)
意外にあなどれないのが、新卒採用ナビ(リクナビ、マイナビ)です。中途採用向けよりも新卒向けのサイトのほうが先輩社員インタビューなどの情報が豊富です。新卒用ページがあればこちらを一気にチェックしてイメージをふくらませましょう。
STEP2:志望動機と自己PRの整合性をつける(5分)
志望動機は入社したい理由と入社後に貢献できる理由(自己PR)とセットで話すことが重要です。
志望動機を聞かれて「御社の事業内容や社風に魅力を感じました」という回答は中途採用の面接では準備不足です。
そうだね、人事面接ならまだいいけれども、事業部長クラスにこの回答をすると不採用リスク絶大だね。
特に営業の場合は自分なりの営業プランとそれを実行できる根拠(過去の経験、実績)まで話せないと不採用は確実ですね。
中途採用は即戦力性が必ず問われます。これは未経験可のポジションも同様です。過去の経験をいかに応募ポジションに応用するのかを考えておくことが重要です。
STEP3:逆質問を3つ以上用意する(3分)
小手先のテクニック論に走りたくないのですが、最低3つは逆質問を用意したほうがいいですよね。
そうだねー。実務内容、チーム構成、レポートラインに関する逆質問は必須だね。
業務内容とカルチャーのミスマッチを避ける意味でも、ここは手を抜かないでもらいたいですね。実務を想定していればアドリブの質問でももちろんOKですしね。
逆質問準備のコツ1:募集ポジションのチャレンジを想定する
入社後の実務の流れや今現在の部門のチャレンジなどは候補者側からわかりません。入社後に任される仕事をイメージするためにこの点は必ず確認しましょう。
逆質問で必須のポイント
- NGパターン:「わからないので教えてください」という聞き方
- OKパターン:「過去の経験から想定すると、●●の流れになると想像しているのですが、いかがでしょうか?」
自分なりに考えていることを伝えるのが重要です。STEP1の企業研究である程度の情報をインプットできていれば、アドリブで乗り切ることもできます。
逆質問準備のコツ2:チーム内での役割分担を確認する
チーム内での役割分担を知らなければ、実務レベルでの自己PRの機会を逃してしまいます。
大切なのは、逆質問を通じて、「私は実務を回せるイメージが湧いています」というメッセージを発信することです。
質問例
- レポートライン(職種を問わず部門長までの流れ、直属の上司は押さえておく)
- 部門内で一番絡む人(直属の上司がマイクロマネジメントタイプか放任タイプかを把握する)
- 他部署との連携(営業の場合はマーケティングやプリセースルとの絡みが重要)
STEP4:自己PRに盛り込む実績(数字)をまとめる(5分)
自己PRの鉄則は具体的に話すことです。そのためには経験、実績を裏付ける数字(期間、目標達成状況)を振り返っておきましょう。
さらに、仕事へのスタンス、チームワークを物語るエピソードを盛り込めばベストです。
キャリアの概要と関連業務を話せるようにする
過去の経験をダイジェスト的に自己紹介することが重要です。職務経歴書に記載している内容のサマリーを話せるようにしておきましょう。
そのうえで、応募ポジションに関係がある経験だけは、具体的に話せるようにしておくことが重要です。
実績の説明は仕事へのスタンスも盛り込む
数字をもとに説明をすることで面接官はあなたの強みを客観的に把握します。そのうえで、盛り込みたいのは仕事へのスタンスです。
定性的な強みをアピールする際には、必ずエピソードトークを用意するようにしましょう。
話せるとGoodなエピソード例
- チームメンバーや他部署との連携
- 新たな業務の吸収スピード
- 失敗談から学び、いかに成長したか
面接官が知りたい情報が何なのかさえ押さえてしまえば、企業研究のプロセス以外はアドリブでも乗り切れるようになります。
STEP5:面接の流れをイメージする(2分)
STEP4までで大まかな面接の準備は完了したので、最後に面接全体の流れをイメージしておきましょう。
- まずは自己紹介(キャリアのダイジェスト・関連業務のPR)
- 会社の沿革やリリースでチェックした情報を応募理由を絡めて話す
- 経験期間と実績を端的に答える
- 実務へのスタンスが伝わるエピソードを2、3話す
- レポートラインに関連する質問
- 入社後の業務の組み立てイメージのすり合わせ
- 今後の選考プロセスに関する質問(面接回数、選考期間)
これは私自身の鉄板の流れです。これで面接官と話が弾まないこともあります。ただ、その場合は準備不足が原因ではなく、単純にマッチしなかっただけです。
まとめ
面接準備は長時間をかければいいというわけでもありません。大切なのは面接官が知りたいポイントに端的に答えるための事前準備です。
ポジションが責任者クラスになれば、1次面接から「あなたならこの仕事をどうやってやりきるのか?」という具体的な質問も出てきます。
この傾向は外資系の面接では顕著です。日系企業は過去の実績を重視しがちですが、外資系企業は入社後のパフォーマンス測定に力を置くためです。
こういった傾向の違いも頭に入れつつ、準備不足で後から後悔しないようにベストを尽くしましょう!