外資系転職の場合は、海外のチームとの面接が選考プロセスに含まれることが多いです。
面接官が日本に出張に来ていて直接話せればベストなのですが、なかなかそうもいかないのが実情です。
そこで、今回は電話やビデオ会議で海外チームと面接が設定された場合の面接対策と参考事例をご紹介していきます。
今回のトピック一覧
【対策1】Wifi環境を万全にしておく!
直接会えれば、ボディランゲージやホワイトボードを活用するなどで言葉の壁を補えますが、電話やビデオ面接の場合はそうはいきません。
さらに、海外との通信は不安定になりがちで、声を聞き取りづらくなります。これはあなたの環境がバッチリであっても、相手側のWifi環境が原因で起こることもあります。
その場合は、電話面接に切り替えになるため、ビデオインタビュー前提の準備だけだと一気にしんどくなります。
- 表情がわからないので、話しが刺さっているのかがわからない。
- 電話だと間違いなく音質が落ちるので声が聞き取りづらい。
バリバリの帰国子女で英語に1ミリも不安がないという場合以外は、ビデオ面接のチャンスを逃さないようにベストを尽くしましょう!
【対策2】自宅から参加する!
「Wifi環境さえあればどこでもいいのか?」というとそういうわけではありません。
仕事の合間にスタバのWifiでと思ってたんですけど、ダメっすか?
気持ちはわかりますが、カフェはやめたほうがいいですね。
やっぱり、英語でゴリゴリ話してると目立ちますかね・・
うーん、それよりも100%相手の話に集中できない環境は面接にはそもそも適さないです。さらに周囲のノイズは聞き手にもストレスがかかります。
現職中の転職活動だと極力、有給休暇を取らずに面接を進めたいという気持ちはよくわかります。ただ、ビデオ面接は電話に切り替わるリスクもあるので、ノイズゼロの環境が理想です。
- 自宅であっても、生活音や屋外の工事音などが入らないように窓を閉めて完全防音する。
- 家族がいる場合は、面接時間は外出してもらう、または、別部屋で無音にしてもらう。
海外との面接の場合は相手も多少通信の乱れや聞き取りづらさがあるのは理解しています。ただ、少し話すたびに都度聞き返されていたらさすがに面接としてはアウトです!
【対策3】面接官の役職・担当に応じた自己PRをする
まずは電話・ビデオ問わず、事前に面接官の役割や担当をしっかりと確認しましょう。
対面の場合は、見た目や話し方などで何となく想像がつくのでそこまでナーバスにならなくてもOKですが、電話の場合はこの確認はMUSTです。
情報をゲットした後はどんな準備をしたらいいッスか?
自己紹介の構成は考えておいたほうがいいですね。経歴の概要から応募理由までを2分くらいで話すイメージです。
他にどんなことを気をつけたらいいッスか?
淡々と過去の経歴を話すのはNGです。「今回のポジションに活かせる経験はココです!」というシグナルを必ず盛り込みましょう。「質問を誘導してあげられるかどうか」は対面の時以上に合否を左右します。
- 面接官の役職・担当を確認しておく。
- 応募ポジションにある経験を2、3箇所、ピックアップする。
- 自己紹介の際に「ここが関係しています」とはっきり伝えて質問を誘導する。
メラビアンの法則という有名な説では、視覚情報がコミュニケーションの5割以上とされています。電話面接の場合は、この5割の情報を補うための策が必要になると理解しておきましょう。
海外との電話・ビデオ会議事例10選(言語:英語)
香港編
◆ APAC HRヘッドのアメリカ人(社内の電話会議システム@応募先オフィス)
2011年当時ですが、ポリコムのテレビ会議システム経由で、音質が悪かったため、声が聞き取りづらくかなり苦戦しました。
- 応募先:大手米国金融機関
- 応募経路:外資系転職エージェントの紹介
- 接続場所:香港オフィス – 東京の日本法人オフィス(社内LAN環境)
- 選考ステップ:1次面接
- 面接官:アジアパシフィック人事部門責任者
- 音声品質:マイクの調子が悪く基本的に声が聞き取りづらい
◆ APAC人事担当の香港人(電話@自宅)
香港オフィスから個人携帯に電話をしてもらい、約30分の通話。音質は特に問題なく会話はスムースに進みました。
- 応募先:某大手ニュース配信会社
- 応募経路:外資系転職エージェントの紹介
- 接続場所:香港オフィス – 埼玉の自宅@スマホ
- 選考ステップ:1次面接
- 面接官:人事部門責任者
- 音声品質:国内通話と変わらない音質とボリュームで全く問題なし
シンガポール編
◆ APAC担当のフランス人リクルーター(電話@自宅)
20分ほどのの電話でしたが、相手側の通信環境が不安定でノイズが入り話しづらかったです。フランス英語のアクセントにも苦戦しました。
- 応募先:某大手外資系金融機関(採用代行[RPO]会社経由)
- 応募経路:リクルーターからのスカウト
- 接続場所:シンガポールオフィス – 千葉の自宅@スマホ
- 選考ステップ:書類選考前のフィルタリング
- 面接官:採用代行会社の担当者
- 音声品質:マイクのボリュームの問題があり、音声が小さく聞き取りづらい
◆ APAC担当のシンガポール人リクルーター(電話@自宅)
ノイズは入ったものの相手の声のボリュームが大きく、30分ほどの会話には支障ありませんでした。
- 応募先:外資系インターネットセキュリティサービスベンダー
- 応募経路:外資系転職エージェントのスカウト
- 接続場所:シンガポールオフィス – 埼玉の自宅@スマホ
- 選考ステップ:条件面談
- 面接官:シンガポールのリクルーター(シンガポール人)
- 音声品質:問題なし(国内通話と変わらない音質)
マレーシア編
◆ APAC担当のインド人部門責任者(電話@自宅)
通信環境が悪く、さらにインド英語のアクセントも重なり3−4割程度しか聞き取れませんでした。ただ、要所要所キーワードを拾って会話を組み立てるかたちで乗り切りました。
- 応募先:外資系アウトソーシングベンダー
- 応募経路:外資系転職エージェントの紹介
- 接続場所:クアラルンプールオフィス – 埼玉の自宅@スマホ
- 選考ステップ:1次面接
- 面接官:マレーシアオフィスのマネージャー
- 音声品質:先方の通信事情で音声が途切れて相当聞き取りづらい
オーストラリア編
◆ APAC担当のオーストラリア人リクルーター(Googleハングアウト@自宅)
PCのハングアウトではうまくつながらず、iPhoneのハングアウトアプリにつなぎ直してビデオ通話をしました。通信環境は問題なく、約30分間、問題なく通話できました。
- 応募先:外資系インターネット広告ベンダー
- 応募経路:LinkedIn
- 接続場所:シドニー – 埼玉の自宅@スマホ(自宅のwifi環境)
- 選考ステップ:1次面接
- 面接官:シドニーのリクルーター
- 音声品質:自宅のwifi環境でビデオ通話@iPhoneで画質音声ともに問題なし
アメリカ編
◆ 日本担当のアメリカ人リクルーター(Skype@自宅)
スカイプ経由でお互いの通信環境が安定していたため、30分の通話中に問題はありませんでした。
- 応募先:外資系インターネット広告ベンダー
- 応募経路:LinkedIn
- 接続場所:サンディエゴ – 埼玉の自宅@PC(自宅のwifi環境)
- 選考ステップ:1次面接
- 面接官:リクルーター
- 音声品質:ビデオの画質音声ともに安定していて問題なし
◆ グローバル人事担当のアメリカ人(スカイプ&電話@自宅)
約2時間で3人との面接をするスケジュールでした。最初の2名はスカイプで問題なくビデオ通話ができました。
ただ、最後の面接官だけ通信がオフィスの通信事情によりスカイプがつながらなくなるアクシデントがありました。
その間は、電話で話をつなぎながら、インタビュアーがが別部屋に移動したことでビデオ通話が何とかできました。
- 応募先:外資系インターネット広告ベンダー
- 応募経路:LinkedIn
- 接続場所:サンフランシスコオフィス- 埼玉の自宅@PC(自宅のwifi環境)
- 選考ステップ:最終面接
- 面接官:人事チームグローバル責任者
- 音声品質:ビデオ・音声ともに接続不安定
イギリス編
◆ ヨーロッパ採用担当のイギリス人(社内テレビ会議システム@オフィス)
音声、画質は問題なかったのですが、はじめてのイギリス英語だったため、聞き取りには苦戦しました。
ダイレクトリクルーティングの立ち上げというテーマに議論が集中したのが不幸中の幸いでした。テーマがはっきりしていたので聞き漏らしがあっても、類推して話を組み立て直しやすかったので命拾いしました。
- 応募先:外資系インターネットセキュリティベンダー
- 応募経路:外資系転職エージェント
- 接続場所:採用企業オフィス
- 選考ステップ:最終面接
- 面接官:イギリス人リクルーター
- 音声品質:ビデオ・音声ともに問題なし
フランス編
◆ グローバル人事・事業戦略責任者&事業部統括のフランス人3名(社内テレビ会議システム@オフィス)
採用企業側がスカイプでの面接設定方法を十分に理解していないことがあり、何度も面接が延期になるトラブルがありました。
ただ、通話自体はビデオ、音声ともに問題なく、フランス英語でも問題なく対応できました。
- 応募先:外資系エンジニアリングサービスベンダー
- 応募経路:外資系転職エージェント
- 接続場所:フランスオフィス/名古屋のホテル- 札幌の自宅@PC(自宅のwifi環境)
- 選考ステップ:最終面接
- 面接官:グローバル人事責任者、グローバル事業戦略責任者、日本事業責任者
- 音声品質:ビデオ、音声ともに問題なし
番外編:日本国内のビデオインタビュー2選(日本語)
日本の在宅オフィス勤務の日本人とFacetime/Skype
面接官が在宅勤務というケースは初めてでしたがビデオ、音声ともに問題なく約1時間のインタビューになりました。
- 応募先:大手外資系ITリーディングカンパニー
- 応募経路:大手転職サイト
- 接続場所:日本国内某所の自宅 – 札幌の自宅@PC(自宅のwifi環境)
- 選考ステップ:1次面接・2次面接
- 面接官:リクルーター・採用部門マネージャー
- 音声品質:画質音声ともに問題なし
【非推奨】スタバでのSkypeインタビュー
Uターン/Iターン歓迎という北海道での仕事であったため、国内勤務でもSkypeでの面接が設定されました。
現職中だったのと、他社の選考スピードとの兼ね合いもあり、出勤前にスタバで1時間近く小声でインタビューを受けました。
日本国内の通話かつ日本語だったので何とかなりましたが、英語だったら相当厳しい環境でした。
- 応募先:日系給与計算ベンダー
- 応募経路:大手転職サイト
- 接続場所:札幌オフィス – 銀座のスターバックスコーヒー@PC(ソフトバンクiPhoneのデザリング)
- 選考ステップ:1次面接
- 面接官:人事部課長代理
- 音声品質:画質音声ともに問題なし
まとめ
最近では、お手軽に利用できるビデオ会議のシステムが増えたため、電話面接よりもビデオ会議での面接が多いです。
それでも、通信環境が不安定になれば、ビデオ機能をオフにしたり、電話に切り替えたりということは起こります。
そんなときに、電話面接用での対策を怠っているとせっかくの面接のチャンスを棒に振ることになります。
どちらのパターンに転んでも問題ないようにしっかりと準備をしておきましょう。