外資系転職に絶対失敗したくない人が必ず知っておくべき3つのポイント

 

外資系転職は年収アップ、英語がデキて素晴らしいといった表面的な成功イメージがアピールされがちです。

 

ただ、これは転職エージェントや転職サイトの広告が作り出したイメージであって、現実はイメージと異なることが多いです。

 

そこで、今回は外資系企業4社@人事で見えた外資系転職の前に必ず押さえておきたい3つのポイントをお届けします。

 

もし外資系企業の特色をまずはチェックしたいという場合は「クビを恐れてはいけない。外資系企業への転職で失敗しないための心得」をご覧ください。

 

ポイント①:外資系企業メリット・デメリット

外資系企業で働くこととがキャリアアップの象徴的なケースとして取りあげられるのは、「給与水準の高さ」でしょう。

 

日系企業と比較すると同じポジションによっては100万円以上差がつくこともあります。

エンジニア紹介実績の多いリクルートエイブリックがもつ転職者の決定年収データから年齢30歳の転職時の決定年収の平均を見てみると、例えばネットワーク・エンジニアで外資大手が573.5万円であるのに対して、国内大手は541.2万円と約30万円の差がついている。
(出典:リクナビNEXT「国内大手と徹底比較!外資系企業の給与はなぜ高い?」より抜粋)

 

ただ、ここで年収に気を取られて転職するのは絶対にNGです。カルチャーのミスマッチや結果主義のプレッシャーに潰されて転職を後悔することになりかねません。

 

メリット:外資に転職する魅力は多様な価値観を吸収できる

外資系転職の魅力は日本にいながらにして海外の仲間や情報に直接触れられることです。

 

留学経験も海外在住経験もないのに10ヶ国以上の人たちと仕事ができたのはかけがえのない経験です!

やっしー

 

思い切って海外に移住するというのは相当ハードルが高いです。もし現地就職を目指すとなればビザ取得だけでなく、以下のようなリスクを覚悟しなければいけません。

■海外転職(現地就職)のリスク
  • 通過レートが弱い国に転職すると日本に戻ってくるのは難しくなる
  • 先進国は競争が激しいのでローカル人材に勝る要素がないと就職できない

 

ただ、外資系企業に転職するだけでしたら、こんなリスクは全くとる必要がありません。クビになるリスクはありますが海外で失業するよりはるかにリスクは小さいです。

 

つまり、ローリスクでグローバルな環境で仕事をする経験ができるのが外資系勤務の魅力です。

 

私は西東京、千葉、埼玉、岐阜に住みながらアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、香港などのチームメンバーと仕事していました。生活水準をほどほどにキープすればクビになっても大丈夫です(笑)

やっしー

 

デメリット:外資系は日系よりも決裁権限が小さい

「グローバルな環境で仕事をする」=「仕事のスケールが大きくなる」というのはありがちな誤解です。

 

海外の会社が日本でビジネスをしやすくするのが日本法人のミッションだからです。つまり、日本から海外進出するという夢はここにはありません。

 

もしあなたが自社のプロダクトを世界に広めたいと思っていたら、それは外資系では実現できません。世界進出を目指すベンチャー企業や海外赴任ありの商社などに転職するほうが現実的な選択肢です。

 

「日本から世界へ」ではなく、「世界から日本へ」というのが外資系企業のベクトルです。この点は転職前に必ず理解しておきましょう。

やっしー



ポイント②:英語力以上に大切なのは日本人として結果を出すこと

英語へのニーズは年々高まっています。TOEICスコアを管理職登用の条件に設定したり、社内公用語を英語にする日系企業の話題はビジネス雑誌でよく取り上げられます。

 

※英語の活かし方は「TOEICは本当に役に立つ?英語の資格を活かして転職を有利に進める3つの注意点」でご確認ください。

 

前提1:英語力は転職で武器になる

日本は先進国のなかでイングリッシュスピーカーが非常に少ないので、他国よりも英語に対する期待値が低めに設定されていることが多いです。

 

EF Education First社が2015年に95万人超を対象に実施した英語力調査では「日本は英語力が低い国」にカテゴライズされていることからもよくわかります。

 


(出典:世界最大の英語能力ランキング」より)

 

実際に外資系勤務でも英語を苦手にしている人は結構多いです。英語力は転職で確実にアドバンテージになるので積極的に活かしましょう!

やっしー

 

前提2:「英語が上手=仕事がデキる」は大間違い!

この結果だけを見ると、「英語力が得意な人は少数派で仕事がデキそう」と見えてしまいますが、それは勘違いです。

 

この点は、マイクロソフトの日本法人でトップを務めた成毛眞さんのコメントが象徴的なので以下で紹介します。

 

実際のところ、英語が話せるのと仕事がデキるのは全く次元の違う話なはずです。アメリカ人だってバカはバカなのに、不思議ですよね。

きっと、英語業界―英会話スクール、英語教師、英米文学研究者などをひっくるめた“英語産業”の陰謀で しょう。僕は陰謀論が好きじゃないけど、こればっかりはそう思っちゃう。天下り先をつくってるんじゃないだろうなって(笑)。

(出典:週プレNEWS「マイクロソフト元社長・成毛眞「英語をしゃべれるヤツは偉い? アメリカ人だってバカはバカなのに」)

 

カントリーマネージャークラスになればネイティブレベルの英語力が求められるケースが多いです。ただ、担当者クラスは英語よりも実務スキルのほうが重宝されます。

 

本社の外国人も英語が上手でも実務に弱い人ではなく、実務に強くて英語を学ぶ意欲がある人を必要としています。

 

前提3:一番大切なのは仕事で結果を出すこと

外資系企業が日本オフィスを設置する目的は日本市場のシェア獲得のためです。そこで、ハードルになるのが日本語日本特有の商慣習です。

そんなに日本ってビジネスしづらいのかね?日系企業一筋だと実感がわかないなぁ・・

人事部長のたなかさん

私も日系にいた時はそう感じていました!ただ、外資で特に立ち上げをする機会が増えてからはこの手の悩みをよく耳にするようになりました。

やっしー

そっかぁ〜具体的にはどんな感じかな?

人事部長のたなかさん

英語はアルファベット26文字の世界ですが、日本語は漢字、カタカナ、ひらがなが入り乱れるのでギブアップする外国人に何人も出会いました。

やっしー

たしかに、バリエーションは豊富だねぇ。。尊敬語とか謙譲語となると日本人でも使いこなせてないもんね。

人事部長のたなかさん

そうですそうです!名刺交換の仕方とか、上座下座とか日本ならでは作法は本当にしんどいですね。

やっしー

言葉とカルチャーをゼロから学んでいたら3年5年と時間をロスしてしまいます。そこで、英語でコミュニケーションが取れる日本人を採用すれば瞬時にこの悩みを解消できます。

 

それが、外資系企業が日本人を採用する理由です。なので、海外かぶれのようになっては大失敗してしまいます。日本人であることの強みを最大限に活かして日本で結果を残すことが求められています。



ポイント③:撤退リスクを覚悟する!でも、次がある

グローバルで大企業でも、日本法人の事業規模が小さい場合は、部門売却や日本からの撤退は起こり得ます。直近でも以下のような撤退事例があります。

■外資系金融機関の撤退事例
  • 2012年 HSBC 富裕層向けサービス
  • 2015年 シティバンク 個人向けサービス

■外資系IT企業の撤退事例

  • 2001年 Gateway
  • 2013年 Zynga
  • 2016年 Ustream

日本での事業計画がアグレッシブすぎる場合には注意が必要です。ただ、それでも、人生一度きりなのでもしチャレンジしたいと思ったらやってみないとわかりません。

 

もし仮に事業が撤退してしまい、クビになったとしても、あなたのスキルや経験に価値があれば別の外資系企業に転職は可能です。

 

外資系企業はクビ(会社都合退職)になったとしても、能力がある人にはオファーがあります。日系企業のように転職回数3回以上は書類選考で落とすという判断はされづらいです。

まとめ

外資系企業で働くメリット・デメリットを理解したうえで、チャレンジすれば失敗しても必ず次につながります。

 

私自身の経験では外資系企業で勤務したことで、日本にいながらグローバルな環境に身を置けるメリットが大きかったです。

 

当然、急なポジションクローズに遭遇したり、カルチャーギャップに頭を悩ませることも何度もありました。それでも、日本人オンリーの環境では気づけなかったことがたくさんあります。

■外国人から学んだこと(ごく一部)

  • 効率化の視点(無駄な会議、残業はしない)
  • 休暇の取り方(10日くらい普通に休む)
  • コミュニケーション方法(Yes/Noをはっきりする)

 

まずは今回の3つのポイントからあなたにとって外資系転職はメリットがあるかどうかを検討してみましょう。

 

もし昔の私のように日系企業でを感じているという場合は思い切って外資系に転職するのはオススメです。細かい方法は動画講座で解説しているのでご覧ください。

やっしー

Shin@多国籍組織づくりサポート: 企業人事として早10年、日系ベンチャーや外資系企業で人事系の業務改革や立ち上げに従事。模範的な会社員の働き方が体質に合わず、独立、Iターン転職@札幌、オール外国人の日本法人の立ち上げなど、一度きりの人生なので常に全力投球をモットーに活動中。