新卒で就職してから、自然と理想の仕事につけるケースは非常にレアです。
大企業であればジョブローテーションや異動希望を通じてチャンスを掴める可能性がありますが、中小企業やベンチャー企業の場合は転職以外に選択肢がないことが多いです。
今回は希望の職種に就くチャンスをつかむために転職をしたものの、いくつかの不運が重なり不遇の時間を長く過ごした方のストーリーをご紹介します。
今回のトピック一覧
リストラ、離婚危機のどん底からのチャレンジ
今でこそマイホームで家族と安定した暮らしをしていますが、つい数年前には不安定な仕事が原因で家族と別居していたほどでした。
15年の社会人生活の中で6回の転職でようやく手にできたのが今の仕事に至るまでで最も自分自身の不甲斐なさを噛み締めた時期でした。
この現実から逃げたら全てが終わってしまうという強烈な危機感が生まれ、ワンルームで家賃4万円の部屋に引っ越し、アルバイトを2つかけもちして立て直しを目指しました。
自分自身の生活費用に使っていたクレジットカードと家族への仕送りを終えると手元に現金がほとんど残らないギリギリの生活でした。
想像以上に厳しい現実でも、仕事への情熱を頼りに踏ん張る日々
大卒で一流企業に就職したのに、家族に別居を突きつけられ、アルバイトをしながら生活を立て直すという人生があるのかと、むなしさが何度もこみ上げてきました。
仕事を楽しめていた会社は2社倒産しで失業し、次の転職先は合併によりリストラ対象になってしまいました。
不運が重なったとはいえ、35歳を過ぎて新卒の時より厳しい生活環境になっているのは完全に想定外でした。
ただ、なりふり構わずに頑張って結果を出さなければいけないので、アルバイトのうち1つは人事のパートタイムの仕事を見つけて、希望の仕事につながる可能性を残しました。
契約形態に関係なく感じられた仕事へのやりがい
人事の仕事は想像以上に楽しく、新入社員向けの資料作りから研修、面接対応まで幅広く経験できました。
職種を選ばなければ、もっと給与や時給の高い仕事はあるのかもしれませんが、自分自身にとってはこれが最善の道だったと悟った瞬間でした。
業務内容は早々にキャッチアップでき、仕事は順調な日々でした。勤続年数も長くなってきましたが、このポジションでの正社員化の話はありませんでした。
それでも、自分の作ったプログラムや資料で人が育っていことで感じるやりがいは変わりませんでした。「いつか中途採用が始まったら手をあげたい」という思いを胸に秘めながら。
ついに現実になった正社員へのキャリアアップ
最高で3つの仕事を掛け持ちながら、支払いと家族への仕送りを3年ほど続け、長男小学校入学を目の前にした1月に転機は訪れました。
ついにアルバイトで働いていた建設会社の管理部の正社員として内定をもらえたのです。
1年限定ですが社宅への入居の提案をもらえたがさらに追い風になり、一気に生活の立て直しが進みました。ついに、昨年には長女の入学を期にマイホームも購入できたのです。
正社員に戻るまでの道のりはとてもつらいものでしたが、同時にまたリストラや転職があっても、這い上がれるという自信も手にしました。
逆境から再起をかけて目の前の仕事に愚直に取り組み続ける経験は無駄にならなかったと思っています。
15年のキャリアを振り返ってみて感じること
「人に関わる仕事をしたいという」志を持ちづづけたのは間違いでなかったと思っています。それでも転職回数が増えていくことへの後ろめたさがいつもありました。
現在の会社では勤続3年目になり、今でも変わらず仕事を楽しめているので、これで過去の後ろめたさとも決別できる気がしています。
この経験が教えてくれたもう1つのことは、バックオフィスの仕事であれば、業界を選ばずに職種を軸に転職してみるのも有効だということです。
というのも、現在勤務している会社は、あまり馴染みのない建設業界ですが、人事としての仕事のやりがいを感じられているからです。
逆境から学んだことは貴重であったものの、この経験をそのまま進めることはできないので、今回ご紹介した学びでお役に立てれば嬉しい限りです。
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