今回のトピック一覧
人事の悪魔というドラマが始まるらしい、、ちょっと気になる
最近の息抜きはもっぱら読書か安全地帯のDVDを見ることくらいでした。
そんなときに連ドラの話題を聞いてこれは見てみようと思うことがありました。
やっしー、最近元気してるかい?
仕事は変わらずカオスを突き進む日々です(笑)ただ、数少ない息抜きだっためちゃイケが終わって地味に凹んでいました^^;
あまりテレビ見ないんじゃなかったっけ?
めちゃイケととんねるずのみなさんのおかげでしたは習慣でずっと見ていましたが、同時に終了で・・
そっかそっか、たまたまテレビの話題だけど。今度、日テレで人事の悪魔とかいうドラマが始まるらしいよ。菜々緒が主演でちょっと面白そうだよ
たなかさんがドラマの話をするのは珍しいですね!仕事柄もちょっと気になりますね
あとでリンク送るから見ておいて
ありがとうございます!チェックします
その後、リンクをチェックしたところ、初回放送は4月14日(土)。たなか部長のアンテナの高さに驚きつつ、ストーリーをチェック。
- 主役は菜々緒。人事コンサルタント椿眞子という役柄。
- 人事労務の課題解決を大胆な手法で解決!
- ハラスメント、社内恋愛、問題社員対応と守備範囲が広い
- 社長との関係は良好、人事部長とは対立
- 過酷な新入社員研修でプロ意識を叩き込む
日本テレビHP「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」より
① 新卒入社の会社での学びは将来を大きく左右する
特に新入社員研修のくだりは自分自身の経験と似ている(もっと気になる・笑)
社会人の心構えとして、「知恵を出せ。知恵がでなければ汗を出せ。汗がでなければ辞表を出せ」と教わり、個人的にはめちゃ納得と思っていました。
私はこんな意味合いかなと思って納得していました。
今の世間の風潮だとブラック企業認定ど真ん中の経験が多かったですが今となってはいい思い出です(笑)
それよりも、仕事の仕方やプロとしての心構えを叩き込まれたのが財産になりました。
特にありがたかったのは、自分の力で何とかしようとするメンタルブロックを壊してくれた点です(当時はめちゃしんどかったですが・・)
学んだのはこんなことでした。今となってはの理解です。
- 自分一人の力で何とかなるような仕事は大したレベルのことではない。
- 本当の仕事は自分の醜態を晒したとしても、他人を巻き込んで実現する何かである。
- 自分の限界をできない理由にするな(他人の力を借りる力を身につけろ)
- 他人の力を借りるためには共通のゴール、共通言語を持つべし
- 共通言語は数字とワクワクするイメージで構成される。
- 苦境におちった時は数字よりもイメージに立ち返るべし。
- 一方で、業務改善は数値ベースで行うべし。
- 数字を無視して主観を押し付けるのは暴力。
- チームとして勝ちにこだわるべし。仲良しクラブは格好悪い。
もし椿眞子が過酷な新入社員研修を通じて叩き込もうとすることが重なれば、2007年の自分に置き換えて応援してしまいそうです(笑)
② 会社を変えようとする時は必ず抵抗勢力が現れる
新卒の入社時研修を思い出しつつ、人物相関図のページを見るとこれがまた絶妙なリアルさ(笑)
(日テレHP Missデビル「相関図ページ」より)
社内で利害関係が対立していて、物事が前に進みづらい。そんな時に社長のリクエストで人事コンサルタントが社内に入っていくというごく自然な設定。
相関図を見る限りでは、現社長は会長の方針に100%納得をしていない様子。おそらく、変化を生み出さないと会社の継続的な成長が望めないという危機感から椿眞子に仕事を依頼したのでしょう。
これにより、人事部はコンサルにお株を奪われそうな状態に。社長が頭越しに人事コンサルと人事施策を次々に決めてしまえば、人事部の存在意義が薄れるのは明らかです。
これでは、人事部長は面目丸つぶれですね。私がこの立場だったら、複雑な心境になるのは間違いないです(笑)
それでも、社長が停滞した会社のムードを壊して、新たな未来を作りたいという気持ちで動くのは自然なことだと思います。通常、これは直接的には止められません。
そうすると、これまでのやり方を否定されることになる人たちは、個別の施策に対して反対するようになる。小泉改革の時に流行った抵抗勢力というキーワードがぴったりの展開です。
個人的な体験でも業務改革や人事制度の導入など過去のやり方を変える場面では抵抗勢力が次々に現れました。
③ いつもハッピーエンドでは終わらないから人事が必要
人事は会社の未来づくりを人の側面から支えていく存在です。もし社員全体が常に一丸となっていて、利害対立がゼロであれば人事は不要です。
しかし、現実は、会社がバックグラウンドが異なる人たちの集合体である以上、利害対立は常に存在します。この利害対立に妥協点を見つけて、社員のエンゲージメントを高めていくのが人事の存在意義だと私は考えています。
この使命を果たすために、私は人事のプロとしてどの会社にいようとも2つのポイントを大切にしてきました。
この2つは椿眞子になんと言われようとも私は譲れないです(笑)
ポイント1:守秘義務は人事の生命線
人事はたくさんの秘密を抱えて仕事をしています。一番わかりやすいのは給与情報です。それ以外にも、人間関係、業績評価、健康問題などさまざまです。
人事がセンシティブな人的情報を扱えるのは、事業部門の人事施策の決定に必要なアドバイスをするためです。
この点を勘違いして、うわさ話を広めたり、情報量を武器に高圧的に接する人事がいると時折耳にしますが、こう言う人は人事とは言えません。
繰り返しになりますが、社員のエンゲージメントを高めるための施策立案、課題解決のために情報を知ることを許されているだけです。それ以外の目的で社員のコンフィデンシャルな情報を活用するのはご法度です。
ポイント2:絶対的な正義は存在しない。フェアネスが最後の砦
人生で一度も嘘をついたことがない人はこの世に存在しないというのは真理だと思います。
というのも、現実は捉え方ひとつで本当にも嘘にもなるからです。誰かにとっての本当が、他の誰かにとっての嘘になるのは避けられません。
例えば、人事異動で行きたくない部署に配属になった場合を想像してみてください。辞令を渡される時に上司から「君には期待しているよ」と言われて額面通りに受け取れる人はどれだけいるでしょうか?
会社としてはあなたの成長を願って決めたことかもしれません。それでも、望まない結果を手にした時は「そんなバカな」と思うのが人間心理だと思います。
このように絶対的な善は組織では定義できません。悪が懲戒事由で定義されていることは言うまでもありません。
絶対的な善が定義できない以上、公平性(フェアネス)を担保する以外に、社員に対する説明責任を果たす方法はありません。
事業部門の当事者間では利害関係の対立が強くなり、このバランスを取るのが難しいのが常です。そのため、人事が当事者ではない第三者としてフェアな判断をサポートする必要があります。
人の評価情報を武器に正義を振りかざす人事は最悪です。そんな社風の会社は早く見切りをつけることをお勧めします。
今後の展開はいかに!?
今回は新ドラマの話題がきっかけで人事論的なことを初めてブログに書きました。
私のバックグラウンドは日系ベンチャーと外資系企業での企業人事経験が中心です。企業規模は300人以下のケースが多く、役割は基本的にトラブルシューターです。
具体的には、急成長に合わせた体制整備や業務のブラックボックス化の解消といったミッションが多かったです。
そのため、数千人、数万人の会社が数十年先のビジョンを掲げて方針を決めて実行するという話はこのなかでは想定していません。
このあたりが新ドラマのストーリーとマッチするかはわかりません。
それでも、10年前に人事への道を諦めかけた人間としてこれから人事に転職したい人、人事としてのキャリアを歩み始めたばかりの人に向けて記事を書いていこうと思います。