資格スクールの広告や雑誌の特集などで行政書士の仕事に関する情報を目にすることがありますが具体的な仕事内容まで知っている人は意外に少ないです。
弁護士や司法書士といった他の法律関係の国家資格と比べると、難易度はそこまで高くなく、取り組みやすい資格です。
取り組みやすい資格であっても取得後に活用できなければ宝の持ち腐れになってしまうので、資格取得後の活用方法まで検討しておく必要があります。
今回は、行政書士の仕事内容やキャリアアップに活かしていく方法を検討していきます。
今回のトピック一覧
行政書士の仕事内容
行政書士の主な仕事内容は、個人や法人から依頼される書類の作成と、官公署(各省庁、市役所、警察署など)への申請代行です。
書類の作成であれば、申請する当事者が自分で作成できなそうな気もしますが、扱う書類の種類は1万種類以上とも言われおり、お金を払ってでも専門家の手を借りたくなるのが実情です。
作成代行する書類の例としては、会社設立や開業手続き、相続手続きなどが挙げられます。官公署では規則通りに書類が作られていないと再作成を命じられることが多いです。
そのため、行政書士として活躍するには、正確な事務処理能力が必要と言えるでしょう。事務処理の代行で得られる報讐には限りがあるため、特に、開業しているかたは、書類作成にいたるプロセスをコンサルティングすることが主事業になっていることもあります。
行政書士の試験内容は?
行政書士になるには、毎年1回実施される国家試験に合格することが一般的な道です。特に受験資格はなく、誰でも受けることができます。
試験の大半は法律関係の問題
試験問題の大半は法律関係であるため、大学で法律を学んでいた法学部出身者にとってはチャレンジしやすい資格です。
ただ、試験対策なしに合格は難しいので、独学でも過去問の研究は必須です。法律関係の勉強が初めてでも資格スクールの講座を活用すれば短期合格が可能な資格です。
合格までの道のり
試験に合格するためには、短い人であれば6ヶ月、一般的な方であれば1年の勉強期間が必要とされています。
時間の制約がある会社員の人は、独学よりは資格スクール等を活用して効率よく試験対策を進めるほうがいいでしょう。一方、時間はあるけれどもお金はかけたくないという方は、独学でじっくり試験勉強に取り組むというのも可能な資格ではあります。
行政書士の年収はどのくらい?
行政書士の年収は、勤務しているか、独立開業しているかによって変わってきます。
行政書士事務所勤務の給与は新卒の会社員程度
勤務しているのであれば、事務所が定めた待遇に準じた給料になるので、初任給は20万円程度と新卒の会社員と変わらない程度になることがあります。
行政書士の資格を取ってすぐに、行政書士事務所で正社員として働くのは狭き門と言われています。そのため、行政書士事務補助の仕事をする人も多いです。
開業後の年収は経営努力次第で大きく差がつく年収レンジ
一方で、独立開業している行政書士の年収が高いかどうかは一概には言えません。書類の作成代行業務の費用を抑えたいという考えるのが消費者心理なので、行政書士の業務だけで高額な収入をあげるのには限界があります。
行政書士の業務だけでは独立して事業を進めるのが難しい
一昔前は、開業後は厳しい競争にあまりさらされることがなかった弁護士や会計士も今では経営努力をしなければクライントを獲得できない状況です。合格者数が多い行政書士では、さらに競争が厳しくなるのは想像に難くないでしょう。
特に行政書士については以下のに該当する方は試験を受けることなく、行政書士の資格を得ることができるので、新規の参入が起こりやすいです。
- 弁護士
- 弁理士
- 公認会計士
- 税理士
- 国や地方の公務員として17ー20年以上の行政事務経験がある者
事務の代行だけですと他の士業の人に取って代わられしまいますが、起業支援や離婚時の公正証書作成などの業務を安価に提供出来る強みを独自でつくることが必要でしょう。
他のスペシャリストと提携して成功しているケースを参考にする
全てのビジネスに共通することですが、独立開業した時に一番苦労するのが新規顧客の獲得です。ここが立ち行かずに事業が成り立たなくなるケースは後を絶ちません。
そこで、以下のように行政書士業務と連携が必要な他分野のプロと協業して、顧客獲得を進めている方も多くなってきました。
ケース1:会社の設立に強みをもつ行政書士
税理士事務所と提携することで税務申告の手配までサポートをワンストップで提供
ケース2:離婚時の公正証書作成に強みをもつ行政書士
離婚カウンセラーと提携することで、離婚する運びとなった方への相談・手続き代行サービスを提供
これらの成功例を参考にしながら、資格の活かし方を考えて、キャリアの幅を広げていってください。