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転職に失敗する人にありがちな年収に関する3つの勘違い

 
転職の注意点
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Shin@多国籍組織づくりサポート
企業人事として早10年、日系ベンチャーや外資系企業で人事系の業務改革や立ち上げに従事。模範的な会社員の働き方が体質に合わず、独立、Iターン転職@札幌、オール外国人の日本法人の立ち上げなど、一度きりの人生なので常に全力投球をモットーに活動中。
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転職理由の上位にはいつも「年収」が入ってきますが、それはきっかけであって、転職の目的をお金することはおすすめできません。

 

報酬は仕事の結果として発生するものであって、報酬ありきで仕事を選ぶのは順番が逆だからです。

 

転職市場の相場と比べて年収が極端に低く、生活に支障が出ている場合を除いては、あなたバリューを高めることが先決です。

 

今回は「年収アップ=転職の成功」と考えて、中長期的なキャリアを犠牲にしないために押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。



1.年収は優秀さの証明ではない

年収は ① 経験・スキルの需給バランス、②業界の給与水準によって決まるものです。そのため、年収に個々人の能力が必ずしも比例しないのが実情です。

 

実際には、年収には以下の2つの影響が大きいと考えておきましょう。

 

(1)希少性が高いスキル(英語やプログラミング言語等)

日本ではまだビジネス英語を使いこなせる人の割合が低いため、依然として英語ができるだけで年収が割高になる傾向があります。

 

一方で、一定のスキルや資格を持ちわせていても、ニーズが減ったサーバー言語や供給が多い運転免許を持っていても年収アップにはつながりません。

 

もし資格を活かしての転職を考えている場合は、以下の2つの記事をご覧ください。

 

(2)高収入はリストラリスクとのトレードオフ

日系企業と外資系企業では、報酬に対する考え方が以下のように異なっているため、成果に対するリターンに差がついてしまいます。

 

日系・外資系の報酬への考え方の違い

会社の規模や経営者の考え方によって差はありますが一般論として以下の傾向を押さえておきましょう。

日系企業の特徴
  • リストラされるリスクは低いが昇給は控え目。
  • 大企業の場合は終身雇用前提の会社は退職金を払うまで我慢が必要な場合もあり。
外資系企業の特徴
  • 日系企業と比べると雇用の保証は弱い。
  • その代わり、結果に対する見返り(報酬)はタイムリーに得やすい。

 

このような考え方の違いによって、外資系の平社員が日系企業の管理職よりも年収が高いというケースが生じます。

 

年収のねじれ例

以下のケースをご覧頂くと、「高年収=ビジネススキルが高い」という図式が成り立たないことを実感頂けると思います。

<サンプル事例>

日系大手SIerで働く部長のAさんの年収<外資系ITベンダーで働く一般社員Bさん

<差が生じる理由>

この理由は「BさんがAさんよりも優秀だから」ではなく、Bさんには結果次第でリストラされるリスクを取っているため。

 

(3)同一職種でも業種で年収に差がつく

業種によって、市場の拡大状況、利益率の違いがあるため、同一職種でも年収水準が数十パーセント差がつくことがあります。

 

転職サイトDODAの調査結果では、平均年収1位のメディカル(529万円)と10位の小売/外食(363万円)では、150万円以上の差が開く結果が出ています。
業種別平均年収ランキング2016
(出典:転職サイトDODA「平均年収ランキング2016(業種別)」)

この結果から、年収の差は個人の能力だけではなく、所属している業界の影響を大きく受けることがわかります。

 

2.報酬は一部の成果を出している人に集まる

週刊現代の「「たったの62人」大富豪が全世界の半分の富を持つ、あまりにも異常な世界の現実」という記事タイトルが全てを物語っていますが、収入はトップ数パーセントに偏るものです。

 

これは愕然とする数字ですが、会社が社会の縮図である以上は同様の傾向があると考えて間違いはないでしょう。

 

その現実を踏まえたうえで、「高年収」を見ていくと転職の時に気をつけたいポイントが見えてきます。

 

(1)高年収を売りにする会社に飛びつくのは危険

先ほども触れたとおり、年収はクビになるリスクの高さに応じて高くなっていくものです。

 

もし責任を果たせるだけの経験スキルがなければ、リスクが一人歩きしてしまい、仕事を楽しめなくなります。

 

そのような状態になるのを避けるために、「高収入」を売りに中途採用を進める会社には十分に気をつけましょう。

 

(2)リスクを取る準備があれば問題なし

キャリアアップのチャレンジをする際は、リスクを認識し、「対処できる自信があればチャレンジする」という判断が重要になります。

 

経験の幅が広がり、さらにその先のキャリアにつながる場合は、失敗してもリカバリーできるチャレンジといえるでしょう。

 

具体的には以下のようなケースはリスクとリターンのバランスを考えることが重要です。

リストラリスクがある求人例

  • コミッション割合高い営業職(外資ITや生保営業など)
  • 外資系スタートアップの日本法人(撤退リスクがある)
  • 転職サイトで高年収の可能性をキャッチコピーにしている会社

 

転職してから後悔しないために、知人や口コミサイトの情報等を活用しながら、慎重に意思決定することをオススメします。

 

なお、リサーチ法は「転職の企業研究で必ずチェックすべき5項目を徹底解説」でご確認ください。




3.年収と仕事の満足度は比例しない

仕事選びの際に、必ず押さえておきたいのは、退職の要因になるのは上司、同僚との人間関係・社風との相性だということです。

 

ミスマッチを予防するには、年収以外の退職要因を整理して面接に臨むことが重要です。

 

整理方法については「面接で言いづらい本当の転職理由をうまくまとめる秘訣とは?」をご覧ください。

 

(1)大切なのはあなたのキャリア

仮に次の転職先で年収アップになっても、市場価値が高まる経験を積めなければ、将来の年収ダウンは確実です。

 

例えば、外資系企業に転職し、年収アップしても、少人数の日本法人が多いため、マネジメントの経験を積みづらいジレンマが常につきまといます。

 

20代、30代に外資系企業で高収入の場合でも、マネジメント経験なしで40代になれば、次の転職で年収ダウンのリスクは高くなります。

 

このようなリスクがあるため、30代の転職では、特に目先の年収と中長期的なキャリアアップのバランスを考えることが重要です。

 

(2)仕事のやりがいは年収では測れない

日系企業よりも外資系企業の方が給与水準は高いですが、全社に影響を与える案件に関わりやすいのは日系企業です。

 

給与水準の高さだけを理由に外資系のキャリアにこだわれば、ポストが限られる40代以降にキャリアのリスクに見舞われやすくなります。

 

経験の幅を広げられる仕事選びをするのが、仕事のやりがいを犠牲にせずに年収アップにつなげる唯一確実な方法でしょう。

 

まとめ

繰り返しになりますが、大切なのは、目先の年収アップよりも、中長期的なキャリアアップにつながる経験を積める環境を選ぶことです。

 

2つのバランスを考慮し、5-10%程度の年収アップを参考値に年収アップを目指すことをオススメします。

 

一方で、給与水準が高い業界への転職や職位が上がる転職の場合は、20~30%の年収アップもありますが、この場合はリストラリスクへの覚悟が必要です。

 

そして、いずれの場合でも「5年先、10年先に必要となる経験を積むチャンスがある環境かどうか?」は必ず吟味しましょう。
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